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「スペードのクイーン/ベールキン物語」

 

スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者:プーシキン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/02/10
  • メディア: 文庫
 

 

 

この「スペードのクイーン/ベールキン物語」というのを読んだ。

 

スペードのクイーン

何となく、トランプというものが好きなので、トランプが登場するお話は好きだ。

簡単にあらすじを説明すると、若者がギャンブルの必勝法をおばあさんから聞き出して、それを実践して最初は勝ちまくるが、あるとき大負けして破滅した…という話である。

 

周りから疎まれているおばあさん、若者へ恋に落ちた女、女と恋に落ちたフリをしてさっさと必勝法を聞き出そうとする若者という構図が、まず面白い。

あと、若者は最後精神病院に入院して、虚ろな表情でその必勝法をひたすら口で唱えている、というオチが素敵だ。

 

ベールキン物語

5つの短編からなっている。どれも数奇な運命に飲み込まれる人間たちを描いているのだが、中でも、私にとっては、「駅長」と「百姓令嬢」が特に印象的だった。

 

「駅長」は、ある駅長がお客に娘をとられてしまったという話だった。悲しい。娘さんの描写が好きだ。

 

「百姓令嬢」は、上流の家の娘が、自分の素性を隠して、敵対する上流の家の息子と恋をするという内容だった。物語は語り手(第三者)目線で進んでいくが、その書き方が中々面白かった。特に、オチのつけ方が「読者は分かるでしょう、つまりそういうことですから、このお話はこの辺にしておきましょう」みたいな感じで、粋だなあと思った。

 

 

ではまた。